【詳細解説】建築用コンテナの構造・価格とは?

前回の記事で、日本のコンテナ建築には現在3つのアプローチがあることをご紹介しましたが、今回はその3番目『海外のコンテナメーカーが作る建築用コンテナ』について、より詳しくご説明します。

「建築用コンテナ」「JISコンテナ」「JIS規格コンテナ」用語の意味

日本のコンテナ建築の世界で用いられる「建築確認対応コンテナ」「建築コンテナ」「JISコンテナ」「JIS規格コンテナ」といった用語は、基本的には全て同じ意味で使われており、

構造体が日本の建築基準を満たしており、日本で建築確認申請を行い、確認済証の交付を受けることができるコンテナ 」 を指しています。

ただ、この「JIS規格コンテナ」という言葉が誤解を招いていて、「JISコンテナは、JIS認証を受けたコンテナ工場で製造しているコンテナ」と思われていたり、「建築コンテナにはJIS規格があり、それを満たすコンテナがJISコンテナ」と思われている方も少なからずいらっしゃいます。

ですが、この認識は間違っています。

確かにコンテナの世界にもJIS規格はありますが、それは国内貨物コンテナ形式を規定する規格です。
 ・JIS Z 1610=国内貨物コンテナ-外のり寸法及び共通仕様
 ・JIS Z 1628=国内貨物コンテナ-コード及びマークの表示方法
JIS規格コンテナ
建築の世界の規格ではなく、貨物コンテナサイズの規格です。

つまり、日本における建築用のコンテナとは、コンテナがJIS規格であるとか、コンテナ工場がJIS認証を受けているとかではなく、コンテナの主要構造部に使われる鋼材を作る工場がJIS認証を受けており、その鋼材を使って作られた日本の建築基準法に適合しているコンテナです。

建築用コンテナに必要な条件

それでは、「建築用コンテナ」(建築の世界で言うJISコンテナ)の必要条件をまとめてみます。

1.主要構造材がJIS鋼材で作られていること。(ミルシートの提出が可能)
2.主要構造材を溶接する溶接技術者は、溶接技能認定(JIS規格)を取得していること。
3.コンテナ製造工場が、鉄骨製作工場認定を受けていること。(国土交通大臣認定)
4.建築確認申請に必要な構造計算が可能で、構造計算書が提出できること。

これらの条件を満たしているコンテナが、日本で建築用として使える建築用コンテナです。

建築用コンテナとISOコンテナの比較

具体的な建築用コンテナの構造を、一般的なISO海上輸送コンテナと比較しながら解説します。

ISO海上輸送コンテナの構造

※ISO規格コンテナはメーカーにより多少構造が異なります。

上にある図面からも分かるように、コンテナ四隅の柱のように見えるコーナーポストは、柱ではなく、鋼板を折り曲げて作られています。また、コーナーキャスティングは鋳物で、建築で言うところの床梁に当たる部分にはCチャンネルが使われますが、中間にフォークポケット(フォークリフトの爪を入れるための穴)が開いています。

ISO海上輸送コンテナは、丈夫なコルゲート鋼板(波板)が躯体を支えるパネル構造(壁構造)です。

建築用コンテナの構造

それに対して建築用のコンテナは、パネル構造ではなく、ラーメン構造(長方形に組んだ骨組みの柱と梁との各接合箇所(角部分)を剛接合した構造形式)です。

建築用コンテナとISOコンテナで根本的に違う部分は、

ISOコンテナ建築用コンテナ
構造パネル構造ラーメン構造
コーナーポスト折り曲げ鋼板角鋼管
キャスティング鋳物角鋼管と一体化
Cチャンネルや細い角鋼管角鋼管
フォークポケット有り無し
基礎への固定想定されていない柱脚にベースプレート溶接

(※あくまでFOREMOSTの建築コンテナについてであり、柱や梁にアングルやH鋼を使うなど、他の構造の建築コンテナもあります。)

細かい違いは他にも沢山ありますが、構造に関わる部分ではこのように比較することができます。

建築コンテナと言っても実は決められた規格があるわけではなく、「製作する工場や溶接技術者が資格を持っていて、構造的に日本の建築基準法を満たせる」ことができればよいので、設置場所の条件によってコンテナ構造を変えることもよくあります。例えば、雪深い地域に設置する予定の建築用コンテナなら、梁構造を頑丈に設計する、といった形です。

案件を担当される建築士さんと相談しながら、その土地やデザインに合った建築コンテナの構造を考えるのは、新しいコンテナハウスを建てるための一番最初の生みのプロセスであり、コンテナ建築の面白い部分の一つです。

ちなみに、「コンテナハウスにできる建築用コンテナの1本の価格は?」というご質問は、本当によく頂くのですが、上記のように設置予定場所やコンテナの設計によって変わってきます。また、どこまで弊社工場で造るのかにもよります。
(コンテナの躯体部分と開口までが多いのですが、案件によっては断熱や軽天まで、もしくはその他の部分まで造りこむケースもあります)

『FOREMOSTの建築用コンテナ基本構造図が見てみたい』『コンテナ建築を検討してみたい』『今設計しているコンテナハウスのプランで、コンテナの価格がいくらになるか知りたい』といったニーズをお持ちの建築設計事務所様、施工店様は、お気軽にお問合せフォームよりご連絡ください。


【詳細解説】建築用コンテナの構造・価格とは?” に対して5件のコメントがあります。

  1. 河野俊彦 より:

    コーナ部分はダイヤフラム構造ですか?ss400でコーナーを作っていますか?

    1. foremost より:

      建築用コンテナはラーメン構造で、ダイヤフラムが入っています。ダイヤフラムやトッププレート、ベースプレートはSS400で、柱はSTKR400です。

  2. 加納 繁宏 より:

    ISOコンテナで柱脚部分が、ISOコンテナキャスティングの場合、敷き鉄板との固定方法は、どのような方法があるのか教えてください。建築指導課から確認申請の受理条件として固定をするよう指導を受けております。

    1. foremost より:

      お問合せ有難うございます。使用状況がはっきりとは分からないため想像での回答となりますが、ISOコンテナの下に鉄板を敷いてその鉄板とISOコンテナを固定したい、ということでしょうか?基本的にはISOコンテナそのものでは確認申請を通すことはできないので、仮設利用など特殊なシチュエーションなのかと存じます。方法としては、以前事例を見たことがあるのは下記の写真のようにコンテナにLアングルのような部材を溶接し、それと基礎を固定する方法(https://foremost.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/ISOcontainer-Foundationfixed1.jpg)か、または敷き鉄板にツイストロックを予め溶接しておき、それとキャスティングを固定する方法くらいかと思います。(※ただしこの方法で確認申請が通るかは分かりません。特殊な事情がない限り、普通は通らないと思います。シンプルに固定ができるだけとなります。)

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