建築用コンテナとは? 日本のコンテナ建築には、3つのアプローチがある

日本の建築基準法に適合する建築用コンテナとは?

日本国内でコンテナを利用した建築物を建てようとする場合、日本の建築基準法に準拠したコンテナハウス・コンテナ建築を建てる必要があります。

国土交通省は以前より明確に地面に設置するコンテナを建築物とみなす見解を明らかにしており、この基準は今後よりいっそう厳しく管理されていくと考えられます。

 近年、コンテナを倉庫として設置し、継続的に使用する例等が見受けられますが、このような随時かつ任意に移動できないコンテナは、その形態及び使用の実態から建築基準法第2条第1号に規定する建築物に該当します。

 このため、一般に、建築基準法に基づく確認申請を行い、確認済証の交付を受けないと設置できませんので、ご留意ください。

 また、すでに設置されているコンテナを利用した建築物について、建築基準法に適合しない事項がある場合には、その所在地を管轄する特定行政庁より、違反建築物として扱われ、是正指導や是正命令の対象となりますので、ご留意ください。

 詳しくは、以下の関係通知等をご参照いただくほか、所在地を管轄する特定行政庁にお問い合わせ願います。

コンテナを利用した建築物の取扱いについて  国土交通省HP

ISO規格コンテナはどうして日本で建築物として利用できないのか

世間一般的にコンテナと言えば、物流の世界で使われている『ISO規格コンテナ』のことを指します。そのため、世界で『Container House』と言えば、このISOコンテナ(特に中古のISOコンテナ)を再利用した建築物を指すことが多く、インターネット上にも様々なISOコンテナ再利用型建築が紹介されています。

今、ISOコンテナを使ったコンテナモジュール建築は、お洒落でかっこ良く、しかも建築廃棄物も非常に少ないことから、サステナブルな次世代型建築手法として世界中の建築家に注目されています。

2015年9月に国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けて、建築業界内でも少エネ建築への転換が進められる中、モジュール建築工法は最も発展が期待され、かつ投資が集まっている分野です。(参考記事:2025年、世界のモジュール建築市場は2150億米ドルに

さらに、SDGs 目標11【住み続けられるまちづくりを】の具体的なターゲットの中で、特に昨今の日本で重要視されるのが「災害に対する強靱さ(レジリエンス)」ですが、コンテナ建築は数ある建築方法の中でも、もっとも強固な構造体を使った建築物であると言えます。

しかしながら、世界一厳しいとも言われる日本の建築基準において、ISOコンテナをそのまま構造体として使った建築物を作ることはかなり困難であると言わざるを得ません。

ISOコンテナがそのまま日本で建築物として利用できない理由をまとめると、

●コルゲート(波板)鋼板自体が躯体を支える壁構造のため、開口を開けると強度が急激に落ちる
●構造体が、建築基準法が求める『JIS鋼材』で作られていない

この2点に集約されます。

そもそもコンテナという『鋼鉄の箱』は、世界中へ物を運ぶ物流のために発明され、改良・発展してきた歴史があり、建築物として使われることを想定して作られてはいませんので、致し方ないのです。

では、日本では合法的にコンテナハウスを建てることは不可能なのでしょうか?

そんなことはありません。
世界の潮流に乗って、日本でもコンテナハウスは注目を集めつつあり、きちんと日本の建築基準を満たしているコンテナハウスが建てられています。

日本の建築用コンテナには、現在3つのアプローチがある

現在、日本で見られるコンテナ建築は、大きく分けると3つのアプローチから作られています。
それぞれが独自に『コンテナ』と『建築』を融合させるための解決策を見い出しているので、どの方法が優れているのかという話ではなく、どのようなコンテナ建築を建てたいのか、という視点で見比べて頂ければと思います。

① ISOコンテナを改造して作る

上で『ISOコンテナでは日本の建築基準は満たせません』と説明したのに、矛盾している!と思われるかもしれませんが、方法としては可能です。ISOコンテナを建築物の構造体とはせず、コンテナ内部(または外部)に柱や梁を別に設けることで建築物とします。つまり、ISOコンテナはあくまで飾りであり、建築物の主要構造とはしないのです。
分かりやすく言うと、木造や鉄骨造で作った骨組みの上からISOコンテナを被せるようなイメージです。

このアプローチは、コンテナ躯体のみの費用としては最も安いのですが、最終的に住居や店舗といったコンテナ建築とするまでにかかる費用は、おそらく一番高くなってしまうでしょう。主要構造部分を建てるコストがかかりますし、それ以外にも、長年に渡り重い荷物を載せて世界中の海を旅して来ている中古のISOコンテナは、ぶつかってついた傷などが錆びている状態が当たり前です。そこから雨漏りをする可能性もあるため、補修・メンテナンスにも費用がかかります。

『どうしても、海を渡ってきたISOコンテナで作りたい!』というこだわりがある方は、この方法を建築士さんにご相談ください。

② 鉄骨フレーム+コルゲートで作る(日本国産コンテナ)

日本の建築業の立場や目線から、日本の建築基準に合うように作られたコンテナです。 建築設計事務所・建設会社・工務店さんなど、各社それぞれが独自に開発しており、その違いは柱やキャスティング(コンテナ四隅にある吊り具をかける部分)などで見て取れます。

「鉄骨造の建築物の見た目をコンテナに近づける」というアプローチ方法なので、実はコンテナ規格サイズにとらわれず、ある程度高さや幅などを変えることもできます。

③ 海外コンテナメーカーがJIS鋼材で作る

海上輸送コンテナを作っているメーカーが、日本の建築基準に合うように作ったコンテナです。FOREMOSTが作っている建築コンテナはこれに当たります。

現在、世界で使用されるコンテナの9割以上は中国製ですが、一口にコンテナと言っても様々な種類があります。

コンテナ (英: container)とは、内部に物を納めるための容器のことである。コンテナーとも呼ばれる。コンテナは、多種多彩な貨物輸送に使われ、人間が持ち運べる小型の物から大型の物までコンテナと呼ばれる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

このように多種多彩なコンテナを作るため、コンテナ製造メーカー側でも、各工場それぞれ「リーファーコンテナ専門」のような専門性を出しています。(※『リーファーコンテナ』とは、 冷凍・冷蔵貨物の輸送に使用される特殊コンテナのことです。 )

その中で、『顧客のニーズに合わせてオーダーメードでコンテナを作る特殊コンテナ専門の生産工場が、日本の建築基準法に合う条件で作る建築専用コンテナ』が3つ目のアプローチです。

これは、コンテナメーカーが日本の建築の世界にアプローチをしている、とも言えます。

それでは、日本の建築基準を満たすコンテナ、いわゆる「建築用コンテナ」や「JIS規格コンテナ」と呼ばれるものは、具体的にどのような構造なのでしょうか?
次は、建築コンテナの内部構造や製造条件を解説していきます。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です